2025/02/14 22:07

今回は「若者の防災意識とその実態」について、最新の調査結果を交えながらお話しします!
近年、気候変動による災害の激甚化や大規模地震の発生リスクが高まる中、若者の防災意識はどのような状況にあるのでしょうか。
日本財団が2022年に実施した18歳意識調査の結果を中心に、若者の防災に対する考えや行動の実態を見ていきましょう。
【若者の災害に対する危機感】
日本財団の調査によると、若者の多くが災害に対する不安を抱えていることがわかりました。
- 気候変動による災害の激甚化に対して「不安を感じる」:82.6%
- 今後数十年以内の大規模地震の発生に対して「不安を感じる」:83.8%
これらの数字から、多くの若者が将来の災害リスクを認識していることがわかります[1]。
【防災知識と対策の現状】
しかし、高い危機感とは裏腹に、具体的な防災知識や対策の実施状況には課題が見られます。
◾️避難場所の認知度
- 居住地域の避難場所を知らない:56.1%
- 避難所を知らない:55.0%
過半数の若者が、いざという時にどこに避難すべきかを把握していないという結果です[1]。
◾️実施している防災・減災対策(上位3項目)
1. 食料・非常食の買い置き:31.4%
2. 飲料水の買い置き:28.4%
3. 避難場所や避難経路の確認:25.0%
基本的な備蓄や避難経路の確認でさえ、3割程度にとどまっています[1]。
◾️災害時の情報収集手段
若者が災害時に利用する情報手段として、以下が上位に挙がりました:
1. テレビ:45.2%
2. Twitter:37.9%
3. インターネット検索:34.7%
SNSやインターネットの活用が目立ちますが、同時に従来のメディアであるテレビも重要な情報源となっています[1]。
◾️防災教育への期待
今回の調査では、若者の防災教育に対する高い関心も明らかになりました。
応急救護訓練、サバイバル訓練、消火器訓練など、非常時に取るべき行動の訓練・講習等への希望が上位に挙がっています[3]。
◾️一人暮らしの若者の実態
別の調査によると、一人暮らしの若年層(15歳~34歳)の約7割が防災教育を受けたいと考えています[5]。
また、一人暮らしの大学生の65%が「災害時の避難所を把握していない」と回答しており[7]、特に一人暮らしの若者への防災啓発の必要性が浮き彫りになっています。
◾️まとめ
日本の若者は災害リスクに対する高い危機感を持っていますが、具体的な防災知識や対策の実施には課題があります。
特に以下の点が重要です:
1. 避難場所や避難経路の確認
2. 基本的な備蓄品の準備
3. 多様な情報源の活用方法の習得
4. 実践的な防災訓練への参加
若者の防災意識を行動に結びつけるためには、学校や地域、行政が連携して、より実践的で魅力的な防災教育を提供することが求められます。
皆さんも、この機会に自分の住む地域の避難場所を確認したり、簡単な備蓄から始めてみてはいかがでしょうか。
一人ひとりの小さな行動が、大きな災害への備えにつながります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんの安全を心より願っています。
Citations:
[1] https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2022/20221006-80123.html
[2] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000300.000025872.html
[3] https://www.nippon-foundation.or.jp/wp-content/uploads/2022/10/new_pr_20221006_01.pdf
[4] https://www.river.or.jp/josei_H26_PPT1.pdf
[5] https://kyodonewsprwire.jp/release/202408285544
[6] https://www.jstage.jst.go.jp/article/eqj/2023/76/2023_47/_pdf/-char/en
[7] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000144.000033607.html
[8] https://www.bosaijoho.net/2022/11/08/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%B2%A1%E5%9B%A3%E3%80%8C%E9%98%B2%E7%81%BD%E3%83%BB%E6%B8%9B%E7%81%BD-18%E6%AD%B3%E6%84%8F%E8%AD%98%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%80%8D/